会社の破産、倒産危機、V字再生、事業拡大の経験から学んだもの 1/3
会社の破産、倒産危機、V字再生、事業拡大の経験から学んだもの 1/3
私は、これまで複数の会社で28年間、金融財務の責任者を担当してきました。
その中では、破産や再生、年商50億円から500億円の事業拡大などもその一つでした。
代表取締役社長や取締役と相談し、意見をぶつけ合い、また金融機関と資金交渉を行ってきました。
職務上、常に社長の傍にいた経験から少しだけお話したいと思います。
1.40才過ぎてからの転職
A企業の会長から声をかけていただいたのは、私が40才過ぎた頃でした。
その会社は、設立から数十年になる会社でした。
私への依頼は、管理部門の総責任者です。
「なぜ?設立から数十年も存続してきた会社が?」
と言うのが最初の印象でした。
私は知人に頼み、事前に情報を集めました。
結果は、「資金難」です。
「やはり思っていた通り。」です。
面談は全部で3回、お会いしたのが社長、会長、税理士です。
お悩みは、「管理部門の人材が弱い。」
経理、総務、全て。
最初にお会いした時から、お悩みの相談が始まりました。
2時間ほどずつ、3回のご相談。
(この時、私はまだ他社で財務部長として勤めており、やっと年商500億円を達成したところでした。)
この時点で、資金繰りに関しての相談は全くなく、財務についての話は無かったのです。
資金繰りを見ている人がいなかった。
いや、正しくは見られる人がいなかったというのが正しい表現だということを、私はあとになって知ることになるのです。
私は、勤めていたい会社に約10年在籍し、個人的にある程度の達成感もあり、従業員が職を失うことは無いだろうとの思いから、次の若い力にその職を経験させるべきだと思っていたのです。
数日後、私はA社の社長の熱意に押され、転職を決意したのです。
ここからが、、、、、。
とても、一言では、何とも言い難い事、驚きばかりの日々。
今までに経験したことのない。
自分の世間知らずを痛感。
出社初日、聞いていた通り若い女性3人のスタッフ。
良く言うと、雰囲気は良好。
(経理を見ているにしては、本当の危機感の欠如。)
良く言うと、上司、管理職に対して従順。
(サラリーマンとしては、これでよいのか?保身)
2.実行されていた無計画な設備投資
入社して最初の月例会議(12月)に参加しました。
その中で、営業部門からの報告で、設備投資案件に関する報告があったのです。
私は、その時初めて設備投資をしている事を知りました。
取締役に確認すると、資金の手当て(銀行への調達依頼)はしていないとのこと。
要するに、運転資金も毎月調達が必要な状況で、設備投資資金もそこから捻出していたのです。
資金の区別ができていないのです。
その状態で、既に設備投資は進んでいたのです。
私は、資料を作成しメインバンクに向かいました。
決算は、3か月後です。