経営者の右腕と左腕
経営者は財務の重要性を理解しているか?
1.企業の両輪
営業部門と管理部門(大別)
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営業部門:本業での売上を直接創出する部門
- 管理部門:経理・総務・法務・財務等、営業部門を間接的にバックアップする部門
部門の捉え方
- 営業部門は、直接部門や生産部門と言う
- 管理部門は、間接部門や非生産部門と言う
特に中小企業の経営者や営業部長などが使う言葉が、生産部門と非生産部門だが個人的には使わない。
同じ企業の中で、同じ目的をもって働く従業員に、非生産部門など無いしあってはならない。
また、そう呼ばれることでモチベーションを下げ、さらには本当に生産性を落としてしまう。
従業員の少ない中小企業等では、従業員の一体感と信頼関係の醸成が、企業の存続と発展に大きな影響を及ぼすことになる。
中小企業・小規模事業者が、企業全体に占める割合は99.7%(357.8万者)です。*1
2.経営戦略
営業戦略
営業部門は、中期経営計画に沿って営業戦略を立て、また当期予算に合わせた営業活動をする。
新たな設備投資等については、財務責任者と入念な打合せを行う。
財務戦略
管理部門の財務部は、中期経営計画に沿って財務戦略(金融戦略)を立て、また当期の月次資金繰り予測から、事前に金融機関へのアプローチを行い、資金ショートを起こさないようにする。
3.月例会議
営業部門
営業部門が売上、原価、売上総利益、販管費、営業利益、経常利益等についての報告を行う。(部門別流動比率にも注意)
予算未達の場合、その対策を報告する。
管理部門
財務部は、月次資金繰り表または日次資金繰り表から資金繰り報告を行う。
営業部門の売上が、予算通りに上がれば一番良いのだが、まず予算通りには上がらない。
会社の運転資金に余裕があればよいのだが、期中では資金ショートが起こり得る。そのため、2か月先迄の日次資金繰り表を準備し、月中の流動性資金にも注意する。
まとめ
企業とは、利潤追求を目的として、継続的かつ計画的な意図のもとに、生産、販売、サービスなど各種の営利行為を実施する一個の統一された独立の経済的生活体なのです。
営業と管理のどちらが欠けても、道を真っすぐに歩くことはできません。
営業部門が苦労して稼いだお金を大切にし、1円でも利益として残すために、経理は細かな経費等の管理を、そして資金ショートの恐れがある時には、財務は事前に資金を調達し企業の存続を図る。
利潤追求のために、経営者、営業部門、管理部門が三位一体となることが重要です。
お金について誰にも相談できず、孤独な経営者が大勢います。
営業部長と財務部長、それぞれが経営者の右腕と左腕となれば、強固な会社が出来上がり、どこまでも道を真っすぐに歩いていけるのです。
企業の存続と発展のために!