資金 一歩先を見る経営!そのための資金繰り表を作る
誰でも作れる簡単資料!
私が、これまで複数の企業で財務を担当させて頂いた中で
経営者の最大のお悩みは、 資金繰り でした。
お困りの方が沢山いらっしゃいました。
極論ですが、決算が赤字でも倒産しません。(直ぐにはという意味で。)
しかし、金融機関からの借入は厳しくまた、難しくなりますが、、、。
厳しさの大小は、
その会社の前期、前々期の決算状況によっても違います。
借入金の状況によっても違います。
その他にも多々ありますが。
しかし、資金が不足すると 決算は黒字でも倒産します。(黒字倒産)
大きな金額の支払いとして考えられるのは、給与、仕入れ代金(買掛金支払)、社会保険料、外注費、等業種により異なりますが、これらの支払いが遅延すると、業務に直接影響が出ます。
手形など発行していれば尚更です。
そこで大事なことは、自分が分かりやすい資料をつくることです。
ご紹介するのは
日次資金繰り表 です。
そして、この作業を毎日のルーティンに入れてしまうのです。
請求書や口座振替などの明細が届いたら、支払いを入力します。
売上計上されたら、入金予測を入力します。
必要な理由
1. 一般的には、月次資金繰り表が多いのですが、特に中小企業の場合は月次資金繰り表ではそのリスクを把握しきれません。
(運転資金が3ヶ月ほどあるなど、資金に余裕があればよいのですが、そうでない場合、月中に資金ショートするリスクがあります。)
3. 月毎の固定経費と、支払いサイトを把握することができる。
(必要ならば、支払いサイト延長の交渉も行う。)
4. 銀行借入の時に、日次資金繰り表を翌々月まで作成していることをアピールする。
(銀行は、経営者が数字をどこまで把握しているかを審査しています。)
5. 日次資金繰り表を作成することで、これまで見えなかったことが見えてきます。
(一番大事なところはここです。ここから本当の資金繰り改善が始まります。)
●経営者がよく言われることBEST
1. そんなことは、全部わかっている。
2. 俺の頭の中に、全部入っている。
3. 今更、そんなものは必要ない。
4. これまでも、こうしてやってきた。
5. 売上があるから大丈夫。
人間は忘れる生き物なのです!
以下は、20数年前に私が作ったシートです。
参考になるかわかりませんが、よろしければご覧ください。
字が小さくて申し訳ありません。
左枠、上から、
経常収入(緑):売上等、入金になった日、若しくは、入金予定日に入力。
経常支出(紫):振込支払いと、口座引落に分けてあります。該当日に入力。
経常収入(緑):該当日に入力。
経常外支出(紫):該当日に入力。
財務収入(緑):借入金の入力(短期借入、長期借入、銀行別に分けてあります。)
財務支出(紫):借入金返済の入力(短期借入、長期借入、銀行別に分けてあります。)
当日預金残(緑):当日の現預金残高です。(データ残高)
借入残高(白):当日の借入金残高です。(短期借入、長期借入、銀行別に分けてあります。)
なお、長期借入金残高移動明細は、別途資料を作成します。
当日(白):支払B/K⇒出納へ出金した銀行名を入力。
出納へ入金⇒出納へ入金した当日の金額を入力。
現金出納残⇒当日最終の出納残高を入力。
〇〇〇銀行⇒当日の預金残高を入力。(銀行別)
当日預金残⇒現金出納残から銀行預金残の合計。(実際残高)
違算⇒データ残高と実際残高が一致しているかを確認する。
一致していなければ、数字が入っている。
最初は面倒ですが、すぐになれると思います。
間違いなく入力していくことで、いつ資金がショートするのか一目瞭然です。
事前に、銀行へのアプローチをすることで、企業の信用もアップします。
大事なことは
当月末が終わったら、翌月初には銀行へ資金繰りの説明にお伺いしましょう。
銀行を訪問するのは、借入のお願いの時だけでは良くありません。
日頃から、自分の会社をよく理解してもらう努力が大切です。
(良いことだけを報告することはありません、悩みも相談しましょう。)
次は、日次資金繰り表のデータから、月次資金繰り表を作成するだけです。
月次資金繰り表は、次回にご説明します。