mirohiGG’s blog

「人生楽しんだ者勝ち!」をモットーに、仕事やプライベートを楽しみ、過去や近況を発信します。

資金 2 一歩先を見る経営!そのための資金繰り表(月次)を作る

誰でも作れる簡単資料!

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いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

 

私は、長年、経理財務を担当し、特に中小企業の資金繰りの大変さは身をもって経験してきました。(プロフィールをご覧ください。)

金融機関(都市銀行、地銀、信金、信用保証協会、日本政策金融公庫等)との交渉は多くの条件をクリアーしなくてはなりません。

(融資条件等については、また後日、、、。)

決算や直近の試算表によっては、融資審査のテーブルにも乗せてもらえません。

 

資金繰り資料があれば融資が受けられるというものでもありませんが、その経験の一部でもお伝えすることで、現在、資金繰りで悩まれている経営者、財務担当者の方のお役に立てたら幸いです。

 

今回は、月次資金繰り表の作成です。

前回からの続きになりますので、よろしければ以下からご覧ください。

 

mirohigg.hatenablog.com

 

 月次資金繰り表は、前回作成した日次資金繰り表を基に作成していきます。

以下が、月次資金繰り表です。

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ご覧になっていただいてお分かりのように、日次資金繰り表を集計した月表になっています。

 

Excelで作成し、月次資金繰り表と日次資金繰り表をリンクさせることで、思ったほど大変な作業ではありません。

 

以下、月次資金繰り表と日次資金繰り表の対比資料です

👇月次資金繰り表(月繰表)   👇日次資金繰り表(日繰表)     

①経常収入        ⇔  経常収入     

・該当項目へ記入  

※月繰表①経常収入・計(A)と、日繰表の経常収入・収入合計は一致する

 

②経常支出仕入代金)  ⇔  経常支出(買掛金)

・各該当項目へ記入

②経常支出(経費)    ⇔  経常支出(小口現金(紫欄)

      各項目           (仮払い個人(紫欄)

                    (経費振込支払合計)

                    (経費口座引落)

                    (人件費)

・各該当項目へ記入

※月繰表②経常支出・計(B)と、日繰表の経常支出・支出合計は一致する

 

③経常外収支(その他収入)⇔  経常外収入

      (その他支出)⇔  経常外支出

・該当項目へ記入

※月繰表③経常外収支・その他収入計(C)と、日繰表の経常外収入・計は一致する

※月繰表③経常外収支・その他支出計(D)と、日繰表の経常外支出・計は一致する

 

④財務収支(借入金)     財務収入(短期借入)

                    (長期借入) 

     (借入金返済) ⇔  財務支出(短期借入)

                    (長期借入)

※月繰表④財務収支・借入金・計(E)と、日繰表の財務収入・収入合計は一致する

※月繰表④財務収支・借入金返済・計(F)と、日繰表の財務支出・支出合計は一致する

 

⑤短期借入残高予測

 各銀行の短期借入金(運転資金)の借入残高を記入します。

 財務収入・支出(日繰表)により、残高が変動します。

 各銀行の借入枠を記入しておくことで、どの銀行から、あといくら借入が可能かを確認できます。

 

以上から、

1. 月繰表・ロ.経常収支(A)-(B) と、日繰表・経常収支は一致する

2. 月繰表・ハ.経常外収支(C)-(D) と、日繰表・経常外収支は一致する

3. 月繰表・ニ.財務収支(E)-(F) と、日繰表・財務収支は一致する

4. 月繰表・イ.前月より繰越(現金・流動預金のみ)は、期首(4月)は前期末の残高を記入します。

  5月以降は、前月の月繰表・(緑欄)翌月へ繰越(イ+ロ+ハ+ニ)の数字を記入します。

5. 月繰表・売上高、仕入高、在庫残高については、後日、月次試算表から入力します。

 

♦ポイント

①月繰表は、最初に各月予算を記入します。(事前に会社の年度予算ができている前提です。中期経営計画があれば、整合性を確認)

②月繰表の、各月実績は、日繰表からリンクさせ数字が入るようにしておきます。

③日繰表は、最初に予測を記入し、売上や経費が確定する毎に予測から確定した金額へ更新していきます。(最低でも、当月分から翌々月分までを作成する。)

④.③から、当日の最終には、全てが実績になりますので、今後の資金予測も最新に更新されることになります。

入金の金額や予定日の変更、緊急の支払いなどを随時入力することで、先々の残高まで確認できます。

⑤.日繰表は、1日から15日と16日から末日まで各中計欄と、月合計欄を作成します。

⑥.月繰表は、上期と下期で中計欄を、最後に年間合計欄を作成します。

⑦.作成後、日繰表で当日預金残がマイナス表示(資金ショート)がある場合、借入金額と融資実行日を決める。

取引関係にもよるが、融資実行日の2週間前には、銀行へ依頼する。

⑧.月繰表の、(緑欄)翌月へ繰越(イ+ロ+ハ+ニ)の残高が、必ずプラスであることを確認する。

 ♦まとめ

目的は、会社の経営を安定させること。

融資を受けることは、そのための手段(目標)の一つでしかありません。

本来、銀行借入(運転資金)は、緊急避難的な対策です。

しかし、現実は、毎月の運転資金に悩まれている企業も少なくありません。

(私もそうでした。)

 

(各地域の県信用保証協会にお願いすることは、本来銀行の仕事ですが、経験上、場合によっては、後日、自分で説明にお伺いしたほうが良いと思います。

その時は、依頼中の銀行担当者へのネゴシエーション忘れてはなりません。)

 

資金繰り表は、金融機関へ提出のためだけでなく、経営者が、毎日目で見て取締役全員で現状を確認し、今後の対策をいち早く打つための資料です。

 

経営者は、自分一人が分かっていてもだめです。

銀行とは、常に相思相愛の関係が大切です。

 

毎月月初に月次資金繰り表日次資金繰り表を銀行へ提出し、先月の資金繰りの説明と、当月以降3か月の予測を説明して、今後の資金繰りの依頼を、それとなく事前に見てもらいます。できれば、社長御本人がテレホンアポイント後、ご訪問してください。

なお、正式な借入申し込みは、当月分だけ行います。

 

取り留めなく書いてきましたが、

月次資金繰り表や日次資金繰り表が、少しでも経営者や財務担当者の方々の参考になれば幸いです。

ご不明な点は、ご連絡いただけましたらご説明いたします。