企業再生の実話
企業再生への道筋
上記記事の続きになります。
よろしければご一読ください。
1.支援者の協力
支援とは、株式未公開企業ですので、通常は株主割当増資や第3者割当増資などですが、当社の場合、取引先である会社の社長が支援を申し出てくれたのです。
支援の額は、通常運転資金の2ヶ月分ほどです。
但し、条件がありました。
①.代表取締役の交代
②.新しい取締役を、指名された全員が引き受けること
③.経営には関与しない
④.株主にはならない
です。
普通は、このような条件で支援してくださるところはありません。
⇒①.については、現社長の責任ということで、辞任を要求されました。
現社長には、申し訳なさで一杯でした。
ご家族のことを思うと、、、。
⇒②.については、4名の指名がありました。
元専務を社長に指名されました。
(これで、元専務の経営者意識が変わることを期待しました。)
私も指名され、明日までに回答するようにとのことでした。
最後まで悩みましたが、銀行との約束(財務担当を継続する代わりに融資をすること)や、引き受けなければ一切の融資をしないとのことから、社員の生活を考えて引き受けることにしました。
新取締役4名の内3名は、私からの提案で以前の給与の総支給額から30%をカットしました。
金融機関へ、継続融資を依頼するための大きな対策の1つでした。
また、株式とは別に、4名で会社へ貸付を行うことにしました。
これも私からの提案で、利息はとらないという金銭消費貸借契約書を作成し、毎月の返済も猶予する内容です。
⇒③.については、支援してくださる社長の会社は、当社とは全くの異業種で業務自体の細かいところは把握できないとのこと。
その理由から、②の取締役が4名指名された。
また、社員の中から、取締役への希望者が現れ、検討の上了承されました。
結果、取締役は5名です。
⇒④.株式を保有することで、持ち株割合や議決権割合に変動が起こり、金融機関や取引先等への責任も発生するので、それは避けたいとのこと。
経理上、長期借入金で処理し金銭消費貸借契約書と借入金返済計画書を作成しました。
社員へは、上記の件を説明し、継続して勤務してくれるよう、話し合いに十分な時間をかけました。
社員の協力がなければ、企業の再生はできません。
2.銀行への支援要請
上記の件を整理し、新社長とメインバンクその他取引銀行へ、挨拶と報告に訪問しました。
主目的は、継続融資の依頼です。
しかし、銀行とすれば、疑心暗鬼です。
支援者は、本当の目的は何か?
会社を乗っ取るつもりではないのか?
融資している資金は、どうなるのか?帰ってくるのか?
もう、?マークだらけです。
それらに対し、一つ一つ細かく時間をかけて説明しました。
事前に準備していた、中期経営計画(経営改善計画書)も説明、提出しました。
財務担当として、幾度となく訪問し、細かな質問に真摯に回答し、何度も説明しました。
銀行の担当者、融資役席、支店長、それぞれが同じような質問を繰り返されますが、全てに時間をかけ、細かな説明を丁寧にしました。
(銀行員は、その支店で融資の未回収案件に係るなど、即出世に係る一大事なのです。)
多少、理解していただけましたが、念のため、後日支援していただいた社長にお願いして、取引銀行へ挨拶に訪問していただきました。
後日、取引銀行の不安も解消され、継続融資が行われることになった旨の報告を頂いたのです。
これからは、決算という結果で証明するのみです。
企業の存続と発展のために!