出世 コロナ禍

深夜、星達が私に気づいた。

街は津々としていたが、私は何故か清々しい気持ちで、気がつくとしばらくの間星達と目を合わせていた。

さすがに、満天の星、とはいかないが、それでも久しぶりに会えた初恋の人のようで、このコロナ過、なぜか勝手に懐かしい想いに浸かっていた。

星の寿命とは、どれくらいなのだろう？

それは、想像もつかないくらいの時なのかもしれない。

それに比べ、人の一生など正に光陰矢のごとし、色即是空

ほんの一瞬の耀き。

星がまばたきをするくらいの時。

その一瞬のあいだを、人はどう生きたいと願うのだろうか。

夢のため、自分のため、家族のため、愛する人のため、お金という誰かが決めたルールのため、皆が出世レースに励む。

時には、矛盾を感じながら、自分に嘘をつきながら。

そうやって、年をとる人が偉い人なんだと教え込まれて。

しかし、本来、出世とは仏教から来た言葉で、現在の意味の、社会的地位が高くなるという意味とは違う。

仏教での意味は、2つ。

1つは、仏様が、生きている私達を救うためにこの世に出現されること。

もうひとつは、人間が迷いの多い世俗を越えて仏道に入ることを表し、出世間(しゅつせけん)とも言う。

ともすると、お金を沢山持っているかいないか、立場が上か下か、行動するときに周りからどう思われるか、また、保身のために正しい判断を見失ってしまうことがある。

出世レースに励むことも大事なのかもしれないが、本当に大切なことを忘れず、この一瞬を精一杯輝こう。

本当の　出世　に今日、また1歩近づけるように。